我々人類は、まさかのポスト-コロナ世界に突入したわけですが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
僕は、コロナで休みの日の予定が全部消えたので、実験を家で完結させたくなり、多少のモノを買ったりして、環境を整えておりました。
回路図は、ぺるけさんのホームページにあったものを転載します。
図1 回路図(ぺるけ氏のホームページより転載)
この回路図は、NPNとPNPの両トランジスタに対応しており、スイッチでこれらを切り替えるようにします。
僕は自作でこの手のスイッチを使ったことがなかったのですが、ロータリースイッチを用いてこの切り替えを実現することがかなうことを知りました。
測定するトランジスタがONになった場合、\(V_{\rm BE} = 0.6\)Vあたりになりますので、440 kΩにかかる電圧は、5 - 0.6 = 4.4 Vとなります。
抵抗に流れる電流は
\begin{eqnarray}
I = 4.4 / 440 {\rm k\Omega} = 10 {\rm \mu A}
\end{eqnarray}
となります。
この電流は、\(I_{\rm B}\)になりますので、コレクタで増幅されて出てくるわけです。
仮に、\(h_{\rm FE} = 50\)とすると、コレクタに流れる電流は、10μA × 50 = 0.5 mAとなります。
コレクタ側には100 Ωがありますので、0.5×100 = 50 mVととなり、この電圧が増幅率そのものを表しているということになるわけです。
まずは、\(I_{\rm B}\)が10 μAがずれたら誤差になりますよね。
実際は、トランジスタによって\(V_{\rm BE} = 0.6\)でないものもありますので、それが誤差の要因になり得ます。
抵抗の値も440 kΩからずれてたら誤差に繋がり得ます。
100Ω抵抗の役割は、増幅率の値をテスターを用いて表示させるというものですので、×100であることが重要なわけです。つまり、こいつもずれると誤差になります。
もしなるべく値を正確に出したい場合は、抵抗値を測定して、値を出して微調整する必要があるということがわかります。
その他、テスター自体の精度の誤差も重畳されるということも載せておきます。
次に、図1の回路図をもとに実際にどうやって繋ぐかを、実体配線図で示しました。
手書きですが、実体配線図を書きました。
図2 手書き実体配線図
図の左側にある、0.47μFのコンデンサは、ぺるけさんの指示に従って村田製作所の積層セラミックコンデンサを使用。
右側の100μFのコンデンサはこの大きさですと、電解コンデンサでないとありません。
電解コンデンサは極性を持っているので注意してください。
僕は耐圧10Vのものを持っていなかったので、100V耐圧のものを使用しました。
実体配線図の下の方にあるのはロータリースイッチです。
赤と黒の線は、NPNモード or PNPモードを示しており、今回はロータリースイッチで、NPNかPNPトランジスタを選べるようにしました。
ロータリースイッチの使い方を知らなかったので、今回色々確かめました。
僕が買ったロータリースイッチは秋月電子のものです。http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-06778/
上部についているスイッチを回す事ができ、最大3接点にする事が可能です。
3接点の示す意味は、「3つの独立した切り替え可能なスイッチとして使える」ということです。
ただ、問題は僕が買ったやつはやたらスイッチの回る軸の部分が長い事です。
初めて買ったので、この事に気付かず買ってしまった。
という事で、会社でノコギリを拝借し適当な長さに切りました><。。
皆さんは、自分の欲しい長さのものを是非手にとってください!!
[caption id="attachment_2863" align="aligncenter" width="406"] 図3 ロータリースイッチの裏面[/caption]
僕が買ったロータリースイッチを載せておきます。
裏面を見ますと、外縁に1~12の番号が振ってあり、真ん中の赤文字で示した4つの端子はA~Dの刻印があります。
スイッチを切り替えると、A~Dと1~12のどれかが導通するという仕組みなのです。
さて、こいつらがどのように導通しているかをテスターで調べてみました。
スイッチ一番左:7-C, 1-A, 4-B, 10-D
スイッチ一真ん中:8-C, 2-A, 5-B, 11-D
スイッチ一番右:9-C, 3-A, 6-B, 12-D
表面にして、左にスイッチを回し切った時を、一番左と定義しています。
上のように導通しているということですが、分かりやすく、一番左の場合だけ、図にしました。
図4 ロータリースイッチの配線の導通(スイッチ一番左の時)
スイッチを回していくと、一つずつ外縁の数字がずれていきます。
自分の持っているスイッチでもこのように導通関係を調べれば、なんとか配線を考えることが出来ます。
使用部品を順に紹介します。
最近、アマゾンで買ったユニバーサル基板は以下の写真のように、基板がくっついているのをぱきっと割るタイプの物です。
これは、25枚で550円くらいでして、簡単な実験をするにはうってつけだなーと思って買ったのですが、今1000円近くに値上がってる・・・
まさかのコロナショックですか!?
抵抗やコンデンサなども載せております。
抵抗は220 kを二つ直列に繋いで440 kにします。
コンデンサは、積層セラミックコンデンサは無極性でして、青いやつ。
黒いのが電解コンデンサでして、線が長い方が+です。
短い方の側面に-のマークが付いているのが少し見えますね。
次に、適当にあるものを使ったので名前がわからないものもある部品達です。
まず左上のソケット?は、トランジスタを刺すものとして使用しました。もっと良いものがあると思うのですが、買うときりがないので家にありそうなものでできる場合は、それを使用しています。
右上のピン?と書かれたものは、テスターの差し込み口です。
確か、トキワエレネットさんで買ったと思うのですが、なにぶん昔なため名前が謎です。調べてわかり次第追記しますね!
左下は日圧のコネクタです。
こいつは、直流安定化電源から電源を引っ張ってくるためにつけました。ので、ない場合は、他の何でもいいわけです。
最悪、端子をちょろっと出しておいて、みの虫クリップで繋いでても良いです。
こうしておくと、電源調達が楽ではあります。
右下は、スズメッキ線ですね。
こやつは、ユニバーサル基板の配線に使用しています。
次に紹介するのは、あったほうが便利だなーと思う道具です。
左上の万力は、ロータリースイッチにハンダ付けするのにどうしても固定させたかったので、今回買いました。
2000円程度でしたが、良い買い物だったと思っております。
これでなくてもいいのですが、万力はハンダ付けするにはオススメの道具です。
右上は、よくあるニッパーですね。
これはどこで買ったか覚えていませんが、普通のニッパーです。
こいつは毎回絶対必要になるので、絶対欲しい道具の一つです。
もうちょっと掴み口が長いニッパーが個人的には使いやすいと思います。
左下のもワイヤーの被覆を剥がすのに必須なワイヤーストリッパーです。こいつも電子工作には必須と言えます。
いくつか使いましたが、まずは下にあるVesselのものが一番いい気がしています。
多くのワイヤー系に対応しているので、よほど変わったことをしない限り、これ一本で対応できると思います。
右下は、圧着端子を圧着するための工具です。
ここでいうと、日圧のコネクタを圧着するために使いました。
ここら辺は、別途工具や装置の記事を書いて説明しようかなーと思っております。
基本的には、実体配線図を見つつハンダ付けするだけですが、ロータリースイッチのハンダ付けは万力を使ったほうが楽だということで、少しその情報を載せておきます。
今回は、ケース加工や、装置として見栄えもよくするといったことは一切行わない予定です。(ネジやら道具も不足しているためです)
とりあえず、動くか確かめる!
まずは、全てのワイヤをワイヤストリッパーで剥いたら、ハンダで濡らしておきます。
こうすると、ハンダ付けするときに、かなりくっつきが良くなります。
さて、以下の写真は、クソ下手ですが、下の方は既にハンダで濡らしてあり、それを曲げております。
そして、その穴をさらにハンダで埋める感じです。
万力がある場合は、以下のように固定して作業を行うことが出来るので、非常に楽かと思います。
ロータリースイッチの9-10は、スズメッキ線でつないでおります。
基板に直接繋ぐより、配線を短くすることができますね。
さて、直流安定化電源につなぐケーブルですが、こいつは以前自分で自作したものを流用しました。
日圧のコネクタに適当なワイヤー2本。
それとバナナプラグを接続したものです。
他のページで、こういうちょっとしたケーブルの作成方とかも記事にしたいと思います。
完成させると以下のようになりました。
小規模な回路ですが、自分で配線すると結構大変なので、ミス配線しないようにじっくりするのが吉と思います。
ケース加工もしたいのですが、家でケース加工できる機材がない、という問題があります。
なので、今回は配線むき出しのままです。
カムヒア!ボール盤!!って感じなんですけど、買うにも結構高いですからね・・・・泣
実際の測定結果の写真を以下に載せております。
こやつはNPNトランジスタなので、スイッチを一番左にして、直流安定化電源を5Vにセットしてテスターで測定してみますと、0.1301 Vとでました。
なので、130.1倍であるということがわかりました。
2SC1815-Yは直流増幅率が120~240だとデータシートに載っております。
なので、一応正しい範囲には入っていますね!
このトランジスタは、PNPなのでスイッチを一番右に回して、測定します。
測定結果は、170.6倍でした。
2SA1015-Yの直流増幅率も120~240でしたので、範囲内に入ってそうです。
➡︎ データシート
実際に、増幅率が測定できているのか、直流電圧を測定して調べてみました。
上で測定した2SC1815-Yとは別の新しい、トランジスタを使ってみましたところ、直流増幅率は161.5でOK!
実際の電圧をデジボルで測定しましたが、以下のようになっておりました。
意外にも、今回の測定では、100 Ω抵抗にかかる電圧が4.42 Vと理論値との良い一致を示しております。
抵抗値も測定したところ、445.05 kΩでしたので、流れている電流を計算すると、\(I_{\rm B} = 9.93 {\rm \mu A}\)でした。
ここには、10 μA流れて欲しいところなので、今回は0.7%程度の誤差を生んでいますね。
100 Ω抵抗も測定してみたところ、98.6 Ωでしたので、ここでも誤差が生じていることがわかります。
この100 Ωは、実際の直流増幅率をテスターで表示させるためにつけた抵抗なので、理論上はどのような値でも構いません。
その分、倍率計算で値を合わせれば良いのです。
ということで、それなりの精度で直流増幅率を出せてはいると思われます。
\(V_{\rm BE}\)が0.6からずれてくれば当然ずれますので、測定するたびに、ざっくりでも誤差を見積もる必要があるでしょう。
今後の\(h_{\rm FE}\)メータの課題
今回の装置は、簡単に測定出来るし、電子工作初心者にうってつけつの題材であったりと良い点が多いです。
しかし、測定装置としてみると、問題も抱えております。
以下の2SC1815のデータシートをご覧ください。
赤い矢印で指し示した部分が、今回のコレクタ電流1.6 mAですが、どうやら直流増幅率\(h_{\rm FE}\)はコレクタ電流依存性を持っているようです。
そのため、赤丸で示した、この一点のみにおいて、測定結果は保証されているのであって、他のコレクタ電流、特に1.6 mAより高い電流でどうなるか?という点についてはこの測定装置ではわかりません。
ということで、ペルケさんのサイトにもありますが、高性能版も作ってみたいところです。
今回は、ケース加工を一切しなかったので、次回はケース加工もしたいなぁ・・・
会社で装置借りる選択肢はありますが、その写真は取れないという問題が、、、。
まあ、それはそれでしょうがないですかね!
セット購入の部分ですが、よく使う部品がいっしょくたにまとめられて売っているセットがあるので、それを買った方が楽だと思います。
たぬし氏はOsoyooの電子工作部品セット(2080円)を使っています。
直流安定化電源は別のでも良いし、むしろ乾電池とかでも代替できます。安定した直流電源ならOK.
部品 | 会社・型番 | 値段 |
直流安定化電源 | CUSTOM DPS-3003 | 14091円 |
ユニバーサル基板 | amazon(shopk2z) |
599〜1000円 |
220 kΩ抵抗 × 2 | Osoyoo | セット価格(2080円) |
電解コンデンサ 100μ | セット価格(2080円) | |
積層セラミックコンデンサ 0.47μ | ||
ロータリースイッチ |
秋月電子 |
150円 |
スズメッキ線 | 協和ハーモネット | 410円 |
ソケット | 家にあったので不明 | - |
テスターの差し込みピン | 常盤エレネット | 現在不明 |
NPNトランジスタ | Toshiba社 2SC1815 | セット価格 |
PNPトランジスタ | Toshiba社 2SA1015 | セット価格 |
デジタルマルチメーター(テスター) | 三和 PC7000 | 24641円 |
卓上万力 | アークランドサカモト GTAB-40 | 1712円 |
ワイヤーストリッパー | VESSEL 3500E-2 | 1418円 |
圧着工具 | HOZAN P-706 | 3954円 |
総計 | 49055円 |